インドネシアでのWebサイト制作は、企画、デザイン、開発、公開までを現地の市場環境に合わせて進めるプロジェクトです。日本で通用する作り方をそのまま持ち込むと、決済、通信環境、言語のどれかで必ずつまずきます。この記事では、インドネシア進出を検討する日本企業向けに、費用相場、制作の流れ、現地特有の要件を解説します。
要点まとめ
インドネシアのEC流通総額は2024年に650億米ドル、2030年には1,500億米ドルへの成長が見込まれる
インターネット利用者は2億2,150万人、閲覧も購買もモバイルが中心
制作費用の相場はテンプレート型の約3万円からフルカスタムECの285万円超まで、日本の相場より大幅に低い
決済、モバイル速度、PSE登録が日本企業の見落としやすいポイント
検索流入はサイト全体トラフィックの約53%、SEOは公開後ではなく設計段階から組み込む
なぜインドネシアで自社サイトが必要なのか
インドネシアは東南アジア最大のデジタル経済圏で、成長はまだ続いています。市場の伸びが速いほど、参入時のWeb基盤の質が後の獲得コストを左右します。

出典: e-Conomy SEA 2024、Google、Temasek、Bain & Company。
ユーザーはすでにオンラインにいます。APJII 2024によるとインターネット利用者は2億2,150万人、人口普及率は79.5%です。そして海外ブランドにとって、Webサイトは現地の買い手が最初に見る信頼のシグナルです。スタンフォード大学の調査では、75%のユーザーがWebサイトのデザインから企業の信頼性を判断すると報告されています。
日本のWeb制作と何が違うのか
日本向けサイトの翻訳版では機能しません。ユーザーの支払い方法、閲覧環境、適用される規制がすべて異なるためです。現地事情を理解した制作会社は、以下をすべて標準スコープとして扱います。
項目 | インドネシアの実情 |
|---|---|
決済 | 銀行のバーチャルアカウント、QRIS、GoPayやOVO、DANAなどのeウォレットが主流。クレジットカードの普及率は低く、MidtransやXenditといった現地ゲートウェイの組み込みが必須 |
モバイル環境 | ユーザーの大半がミドルレンジのAndroidと4G回線。Google/SOASTAの調査では、表示に3秒以上かかるとモバイル訪問の53%が離脱 |
言語 | 消費者向けはインドネシア語が必須。B2Bであれば英語の併記が有効 |
法規制 | インドネシアでオンラインサービスを運営する場合、電子システム運営者(PSE)としての登録が求められる。進出後に知って慌てる企業が多い |
ホスティング | ジャカルタまたはシンガポールリージョンからの配信が前提。日本や米国のサーバーからの配信は現地では遅く感じられる |
インドネシアのWeb制作費用の相場
価格を動かす変数は4つです。カスタムの度合い、機能の複雑さ、誰が作るか、公開後の運用体制。この前提で、2026年の現地相場はおおよそ以下の通りです。
プロジェクト種別 | 現地相場 | 日本円の目安 |
|---|---|---|
テンプレート型ランディングページ | 300万〜1,000万ルピア | 約3万〜10万円 |
カスタム企業サイト | 1,000万〜3,500万ルピア | 約10万〜33万円 |
標準的なECサイト | 2,500万〜7,500万ルピア | 約24万〜71万円 |
フルカスタムEC・Webアプリ | 7,500万〜3億ルピア以上 | 約71万〜285万円以上 |
日本でコーポレートサイトを制作会社に依頼すると数十万円から数百万円が一般的なので、同等スコープを大幅に低いコストで実現できるのがこの市場の特徴です。ただし相場を大きく下回るオファーには注意が必要です。コストは消えたのではなく、保守しにくいコード、遅い表示速度、後で作り直しになる構造に移っただけです。1年後に作り直すことになる安いサイトが、結局いちばん高いサイトになります。
制作の進め方とスケジュール
信頼できる制作会社は、ビジネスを理解する前に見積もりを送りません。標準的な流れは次の通りです。
ディスカバリー。 事業目標、ターゲット、成功指標のすり合わせ。1〜2週間
サイトマップとワイヤーフレーム。 ページ構成とレイアウトの骨格を合意。SEOの土台はこの段階で組み込む
デザイン。 ページごとのビジュアルデザインをレビューしながら確定
開発。 決済や外部システムの連携を含めて実装
QAとコンテンツ移行。 各デバイスでのテスト、速度検証、コンテンツ投入
公開と保守。 公開後のモニタリングと、誰が保守するかの取り決め
企業サイトで4〜8週間、ECサイトで2〜4ヶ月が目安です。日本からのリモート進行は問題ありません。ジャカルタはGMT+7で日本との時差は2時間、打ち合わせ時間の確保は容易です。
SEOを前提にしたサイト設計
BrightEdgeの調査によると、検索流入はWebサイト全体のトラフィックの約53%を占め、どのチャネルよりも大きい流入源です。そして検索結果の順位がほぼすべてを決めます。

出典: Backlinko、400万件のGoogle検索結果に基づくCTR調査。
SEOは、サイトを作りながら組み込むのが最も安く、後から貼り付けるのが最も高くつきます。URL構造、ページ階層、表示速度、構造化データはアーキテクチャの意思決定であり、後付けのパッチではありません。私たちがインドネシアのジム管理プラットフォームFitquartersのサイトを再構築した際も、記事を1本書く前にSEOファーストの設計を固めました。その土台が後のSEOと広告の成果を支えています。詳細はFitquartersのケーススタディをご覧ください。
よくある質問
費用はどのくらいかかりますか。
テンプレート型ランディングページで約3万〜10万円、カスタム企業サイトで約10万〜33万円、ECサイトは複雑さに応じて約24万〜285万円以上が現地の相場です。
制作期間はどのくらいですか。
企業サイトで4〜8週間、ECサイトで2〜4ヶ月が目安です。極端に短い納期の約束は、ディスカバリーやQAなど工程の省略を意味することがほとんどです。
日本からリモートで依頼できますか。
できます。時差は2時間で、海外クライアントに慣れた制作会社なら書面ベースの非同期コミュニケーションで問題なく進みます。使用ツールと報告頻度を契約時に決めておくと確実です。
ドメインやソースコードの所有権はどうなりますか。
発注者側が持つべきです。ドメイン、コード、コンテンツ、ホスティングへのアクセスが自社名義であることを契約書に明記してください。
日本語でのやり取りは可能ですか。
現地の制作会社は英語対応が基本です。日本語対応の可否は会社によるため、最初の問い合わせ時に確認することをおすすめします。
まとめ
インドネシアでのWebサイト制作は、現地の決済、モバイル環境、言語、法規制をどこまでスコープに含めるかで成果が決まります。価格はその網羅度の反映にすぎません。相場と標準的な進め方を知っていれば、届いた提案の質は自分で判断できます。
Soedjaでは、サイトがどう成長を生むかという問いから制作を始めます。そのSEOファーストのアプローチはFitquartersのケーススタディで公開しており、現在のサイトの状態は無料の分析ツールで確認できます。より詳しい相談はSoedjaまでどうぞ。初回の相談は無料です。
Editorial Team





